ルネサンス

スポーツクラブ業界3位の大手ジム「ルネサンス」の株式と歴史に関するページです。創設メンバーの斎藤敏一(さいとう・としかず)氏らについて。スナップアップ投資顧問のフィットネス業界の株価データなどによると、ルネサンスは大日本インキ化学工業(現在のDIC株式会社)の社内ベンチャーとして1979年に発足(創業)。当初はテニススクール(テニスクラブ)としてスタートし、スポーツクラブに転換しました。社名の意味は「ヒューマニズム回復」です。
参考:フィットネス業界ランキング

大日本インキの社内ベンチャー

ルネサンスは大日本インキ化学工業(DIC)の企業内ベンチャーとして1979年(昭和54年)に立ち上がった。 立ち上げた人物が、大日本インキの社員だった斎藤敏一氏だ。 最初はインドアテニスからスタートして、その後、複合スポーツクラブへと転換した。

1982年設立

1982年に法人化した。 ディッククリエーション(現ルネサンス)という会社として設立された。 創立者である斎藤敏一氏は、初代社長に就任した。 1991年、肩代わり運営1号店の「スポーツクラブ ルネサンス早稲田」をオープンした。斎藤氏は2008年に会長になるまで社長だった。

斎藤敏一

▲斎藤敏一氏

斎藤敏一氏のプロフィール

出来事
1967年
(昭和42年)
京都大学工学部卒業、大日本インキ化学工業(現・DIC)入社。
スイス連邦工科大学へ留学
1969年 スイスから帰国
1979年 社内ベンチャーで健康スポーツ事業(テニススクール)を起こす。
1982年 大日本インキ化学工業の100%子会社としてディッククリエーション設立
1987年 1号店のルネサンス水戸オープン
1991年 ルネサンス早稲田をオープン
1992年 ディッククリエーションを、ディックルネサンスに社名変更。
社長就任
2003年 ディックルネサンスを、ルネサンスに社名変更。
ジャスダック(店頭)市場に上場
2006年 ルネサンス東証1部に上場
2008年 ルネサンス会長就任
2012年 リハビリ特化型デイサービスを開業
ルネサンスリハビリセンター大船をオープン
技術畑からの転換

斎藤敏一氏は宮城県出身。もともと、理系出身だった。 配属も研究所の次は、技術部という至極当然のコースだった。 ところが技術者の仕事よりも、人間相手の方がきちっとした反応があって、やりがいがあるし、自分にあっていると思うようになったという。

海外事業部へ異動

要するに「商売」に興味を持ったのだ。希望を出して海外事業部に異動させてもらった。それが健康産業に進出するきっかけとなった。

テニススクール(テニスクラブ)として発足

業種としてテニススクール(テニスクラブ)を選んだのは、親会社である大日本インキと何らかの接点がないと役員の理解を得られないと考えたからだ。 コートの素材とシューズの底に大日本インキが扱っていたウレタン樹脂が使われていた。 このため、理屈付けが可能だった。 「失敗したら福利厚生施設として再利用すればいい」ぐらいの感覚が当時の親会社のトップにもあったようだ。 当時は高度成長期だったため、発想にも余裕があったのだ。

テニスコートにプールを併設

千葉・幕張のボウリング場跡地を利用してテニスコートを8面つくった。当時のテニスブームにも乗って、スタート時に会員数が3300人、すぐに4000人に達した。 しかし、このままテニスだけでやっていくのは危険だと直感的に思ったという。 そこで、コート2面をつぶしてプール、スカッシュコートなどをつくって複合化路線に転換した。

2003年上場

2003年12月にジャスダック(店頭)市場に上場した。 IPOの目的は5つあった。

  • 資金調達を多様かつ容易に行えるようにする。
  • ブランドイメージを高め、よりよい人材を確保する。
  • スポーツクラブと医療とのコラボレーションを進める。
  • 土地オーナーらパートナーに対する信用を高める。
  • 立地物件の情報収集力を強める。

シニアの会員比率が高い

「ルネサンス」は高齢者(シニア)の会員比率が高いのが特徴だ。60歳以上の割合は1994年(平成6年)は3.3%に過ぎなかったが、上場したころには20%に達した。

平日昼間は高齢者

もともと、高齢者の比率を高めようと狙っていた。 高齢者は退会率が低い。しかも、平日の昼間の利用がほとんど。サラリーマンやOLとのタイムシェアができ、施設の有効利用ができる。 団塊の世代が定年を迎えることで、ますます高齢者のシェアは上がることを期待した。


社名の由来

イタリアでルネッサンス文化に触れる

斎藤氏は大日本インキ入社後に海外留学した経験があった。その際にイタリア・フィレンツェを訪れ、ルネッサンス(文芸復興)のヒューマニズムに魅了されたことが、ルネサンスの社名につながった。

学生時代の卒業研究で、スイスから来た客員教授にお世話になったという。 その人がスイス連邦工業大学にいる自分の指導教授に斎藤氏のことを推薦してくれた。 そこで、就職は国内留学制度のある大日本インキを選んだ。 入社後、国内の留学制度を、海外にも拡大してもらった。

入社後2年間はスイス留学

入社後、すぐにスイスに渡り、2年間を過ごした。イタリア人と友達になり、彼の故郷であるフィレンツェを訪ね、一緒に美術館などを見て歩いた。

社名に「ヒューマニズム(人間性)回復」の意味

ルネサンスは、それまでの中世のキリスト教文明から人間を解放する運動だ。斎藤氏はルネサンスを「文芸復興」ではなく、「人間性回復」と言い換えていた。会社の名前にも、その気持ちが込めた。

ルネサンスとは

大日本インキ化学工業の社内ベンチャーから始まった。首都圏を中心にスポーツ施設の運営を手がける。退会率の低い高齢者に着目、シニア会員の会費割引サービスや高齢者向けプログラム開発などを導入した。 本社は東京都墨田区。

参考動画

ルネサンス株式の投資について